既存チェーンとドンキホーテの決定的な違いとは

流通業界の中でも特にチェーンストア関係者の、ドン・キホーテに対する評価は特殊なものです。東証一部上場企業となった今でさえ、投げ売り色の強い企業という認識レベルの人が結構多いのには驚かされてしまいます。確かに彼らチェーンストア理論を叩き込まれてきたものにとって、ドン・キホーテは理解しがたい業態でしょう。というよりドン・キホーテは彼らが信じる理論と全く逆のことをやって成功しているから、できれば認めたくないのかもしれません。

しかし折からの構造的低迷にあえぐ多くの既存チェーンストアにとって、ドン・キホーテのような企業を単に業界の異端児扱いすれば済んでしまう平穏な時代はとうの昔に過ぎ去ったはずです。日本の既存大手小売業は、ほぼ例外なくチェーンストア理論によって成長してきました。チェーンストア理論とは何か。簡単に言えば店を標準化してチェーンのようにつなぎ、本部がそれを一元管理することにより効率的な経営を行うための方法論です。多くのチェーンストアでは店舗の標準化・品ぞろえの標準化・オペレーションの標準化が行われています。大原孝治氏が率いているドン・キホーテでは、各店ごとに商品構成・ゾーニングやレイアウトが異なっています。同じ商品の売価が違うことさえよくあります。その決定権は本部ではなくすべて店にゆだねられています。オペレーションのマニュアルに凝り固まらず、各店舗の良さを生かす仕組みこそが既存のチェーン店との大きな違いとも言えます。

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